診療科・部門のご案内 Facilities

放射線科(放射線治療)

1 当院の放射線治療の方針

※ 放射線治療室よりお知らせ
 現在、放射線治療装置(リニアック)の更新を行っており、放射線治療を新たに必要とする患者さんの他医療機関からのお受入れを一時休止させていただいております。
 恐縮ではございますが、何卒ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、放射線治療の再開は現在のところ令和7年2月を予定しておりますが、治療再開の折りには改めてご案内させていただきます。

●当院の放射線治療室が 2022年度より、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)の認定施設となりました。

放射線治療について

 放射線治療はがんに対する有効な治療法で、手術療法、抗がん剤治療と並んで癌治療の3本柱の1つです。
 当院では、リニアックによる外部照射と、ラジウム-223を使った骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対する内用療法を行っています。
 外部照射では、
●原則として月曜から金曜の平日のみ、(祝祭日はお休み)毎日通院していただくことになります。
その人ごとに決められた回数(20~39回程度)の治療が必要です。
●放射線が照射される時間はほんの数分です。放射線が当たっているときに痛みや熱さを感じることはありません。

●前立腺や頭頸部癌、(一部の)肺癌・(一部の)食道癌に対して強度変調放射線治療(IMRT)を行っています。

●緩和的放射線治療とは、痛みなどのがんによる症状を和らげるために行う“緩和照射”の二つがあります。緩和照射は、進行したがんやほかの部位に転移したがんが対象となります。たとえば、有痛性骨転移や肺、気管に転移したがんによる呼吸困難を改善する目的で行われます。特に、骨に転移したがんは強い痛みを伴うことが多いですが、放射線治療を行うことにより、短い治療期間と軽微な有害事象で、およそ7割程度の疼痛改善が期待でき、QOL(生活の質)の向上が図れます。治療回数・期間は単回照射(1回/1日)や分割照射(5~10回/1~2週間)などがありますが診察時の患者さんの病状や全身状態によって決めています。

 骨に転移した去勢抵抗性前立腺癌に対して、
●ゾーフィゴ®という放射線医薬品を注射する治療を開始しました。
●ゾーフィゴ治療では症状の緩和に加え、生存期間の延長も見込めるようになっています。

2 診療時間・外来予定表等

放射線治療外来(新患、要予約) 診察日

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
近藤 英宏 宮澤 一成 吉田 匡宏 宮澤 一成 近藤 英宏

初診は原則午前中で、治療期間中は週に1度担当医による診察があります(午後)。
2019年度から常勤医が2名になり、前立腺や頭頸部へのIMRT(強度変調放射線治療)も可能になりました。呼吸同期や体幹部への定位照射にも対応しております。
毎日の治療は、治療専門技師が担当しております。(女性技師もおります。)
(放射線治療専門技師3名、放射線治療品質管理士3名)

問い合わせ 042-452-3335
(放射線治療直通)

3 予約について

 「手術は他の病院でも、毎日通う放射線治療は自宅近くの昭和病院で」という方も多くいらっしゃいます。毎日の治療時間は、通勤や子育てなどの時間に合わせて可能な限り調整いたしますのでご相談ください。

●通院可能な方に限ります。
●乳腺術後照射、または前立腺照射をご希望の方は、放射線治療外来へ直接電話で申し込みができます。
●それ以外の部分の場合は、おかかりの医療機関から当院医療連携室を通じてご予約ください。

  医療機関さまからのご予約はこちら 
  ※放射線治療装置の更新につき、現在予約を一時休止させていただいております。

4 主な検査・治療・装置

CTシミュレーター

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2013年4月より稼働している、キャノンメディカルシステムズのAquilion LBという装置で、開口部の直径が世界最大の900mmという放射線治療に非常に特化した仕様のCTとなっています。
呼吸同期での撮影にも対応しており、呼吸同期での治療も可能となりました。
また、以前の治療計画CTと比べ高分解能の三次元画像が得られることにより、今まで以上により正確で検査時間の短い負担の少ない放射線治療を行なうことができるようになりました。

リニアック

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当院にて2008年7月より稼働開始となった放射線治療の装置で、アメリカ、バリアン メディカル システムズの「Clinac iX」というモデルです。
この装置は世界的にも信頼性が高く、多くのユーザーから支持されている放射線治療システムです。
このシステムには120対のマルチリーフコリメータというものがついており、 照射範囲を腫瘍の形状に一致させ、腫瘍にピンポイントで照射することにより周辺正常組織への被ばくを最小限に抑制し、 これまでの放射線治療に比べ、より患者さんに優しい治療が可能となりました。

また治療位置を正確に高画質で捉えるOBI(オンボードイメージャ)、 PortalVision(ポータルビジョン)という装置も搭載しており、 撮影・透視だけではなく、kVコーンビームCTも撮影でき、 治療直前にミリ単位の照射位置補正(IGRT=画像誘導下放射線治療)も可能となりました。
治療計画装置では、治療計画専用CTの画像から、 より正確な照射部位を決定し、最適な照射線量を計算します。定位照射・IMRT(強度変調放射線照射治療)といった最新の治療にも十分、対応できるシステムとなっています。
放射線治療室も明るい雰囲気に改装し、どなたでも安心して快適に放射線治療が受けられるようになりました。
これからも、より質の高い医療が提供できるように、スタッフ一同、努力してまいります。

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ゾーフィゴ®による内用療法

骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(CRPC:男性ホルモンの分泌を抑える治療を実施しても病状が悪化する前立腺がん)の方が対象です。
α線(アルファ線)という放射線を出すアイソトープ治療薬を静脈に注射して治療を行います。
ゾーフィゴに含まれるラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。
そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞を攻撃します。

治療(注射)は月に1回、合計6回おこないます。
外来で行うことができますが、治療を行うにはいくつか条件があり、定期的な血液検査も必要です。
放射線治療室と核医学室が連携し治療を行います。 
治療を希望される方は当院泌尿器科主治医に相談、またはおかかりの医療機関から放射線治療室までお願いします。

問い合わせ 042-452-3335
(放射線治療直通) 

5 治療実績

年度 原発部位別 人数 (人) 治療延べ人数
(人)
IMRT (人) 定位照射
(人)
ゾーフィゴ
(人)
乳房 前立腺 頭頸部 造血器・リンパ系腫瘍 その他 合計 前立腺 頭頸部、その他
2019 52 47 38 48 127 312 7,710 37 17 7 0
2020 46 58 29 46 107 286 6,544 49 60 1 0
2021 67 64 56 46 134 367 8,221 52 78 5 1
2022 57 79 52 38 128 354 8,057 67 64 2 0
2023 58 75 56 44 145 378 8,242 75 94 4 0